10月3日(月曜日) 曇り 今日は夜、日本舞踊の団体〔菊の会〕の公演に行くので、朝からスーツにネクタイ姿(プラス坊主頭。まるで「キル・ビル vol.1」みたい?)でバス出勤。久々にバスに乗ったら、途中事故があったのか大渋滞。バス停一つ分の距離を進むのに二十分以上かかりました。一時間に一本しかない乗り継ぎのバスに乗り遅れるかとヒヤヒヤしましたが、なんとかセーフ。 ところで、ネットショッピングで本とDVDを沢山買ったという話を先日書きましたよね。たまにドバーッと買い物するとその陶酔感が残ってて、まだ何か買いたくて仕方ないのです(←ヤバイなぁ)。仕事の合間にネットサーフしていた時、ふと「そういえばあの映画のDVDは出たんだろうか?」と思いつき検索したところ、なんとこれが出てるではねーですか。早速注文してしまいました。 その映画とは、ぼくが最も好きな男優ロバート・ライアンの遺作の一本にして、七十年代に傑作を連発していたジョン・フランケンハイマー監督の最高傑作といわれる“The Iceman Cometh”(1973)。です。 アメリカの劇作家ユージン・オニールの戯曲を映画化したこの作品は、渋い内容に加え上映時間が四時間もあることもあって、アメリカでは公開当時に大コケ、当然日本未公開。その後、誰がこの映画の権利をもっているか不明となり、ヴィデオ化もされずアメリカでも幻の傑作とされていたのです。 それがなんと一昨年アメリカ、去年イギリスでDVDが発売されていたとは。迂闊でした。だけど売れてないんでしょうねぇ。Amazon.co.uk.で新品なのに定価の40%引きで売られてました。これを買わずしてどうする。ワーイ。ということで、これはぼくの手元に直接届きます。ワクワク。“The Iceman Cometh”が観られるなんて信じられない。人間長生きするものです。生きてて良かった。誰かほっぺを抓って欲しい。これほど嬉しいことはないですよ。ワォーン、ウォウォン。 夜は「スーツは肩が凝る」とぼやきながら、〔菊の会〕の公演へ。 日本の催しなので長いこと会ってなかった知人らと再会、旧交を温めました。中でも日本大使館文化部に勤務する大ベテランのおばあさん、コトラーショヴァー Kotlarova さんは「あなたにまた会えて、こんな嬉しいことはない」と目を輝かして喜んでくれて、ちょっと感動しました。感謝感謝。 〔菊の会〕の公演は、古典舞踊と創作舞踊それに狂言が演目だった第一部に比べ、第二部は〔鼓童〕もしくは〔鬼太鼓座〕的太鼓の演奏や津軽じょんがら節に阿波踊りと、「日本各地のお祭を集めましたでショー」的構成で、それぞれの演目はとても巧いのですが、凄みが感じられずちょっと残念。外国人にはこの程度がいいのでしょうけど、日本人としてはやはり太鼓は太鼓のエキスパートの演奏、一つの道に懸けた執念のようなものを見たい、感じたいのです。 その観点からいうと第一部の古典舞踊はさすがで、「日本舞踊というのは一つのキメ(型)を美しく見せ、それをいかに崩さず美しく次のキメにもっていくのかがキーなのだな」と今更ですが気がつきました。つまり踊りでありながら、動きと同時に停まった瞬間も同じくらい、あるいはそれこそが最も大事という、西洋のダンスとはコンセプトが全然違うということがわかりました。「おまえ、何を今ごろトボケたことを」とバカにする方がいるかもしれませんが、誰に教えられた訳でもなく、見ていて自分で気づいたのだからいいんですよーだ。 批判を書きましたが、日本文化の素晴らしさを外国人にわかってもらう入門編としては非常によかったと思います。観客も盛り上がってました。 本日の自転車走行距離:0キロ
by yaliusat
| 2005-10-04 07:11
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