10月10日(月曜日) 朝濃霧。のち晴れ ということで、Bollywood Film Festival 一日目。上映開始が三十分近く遅れ、終ったのは0時前。0時半前に帰ってきて、今これを書いてます。ヤレヤレ。(知らない人のために一応説明すると、年間二百本以上の映画を作っている大撮影所があるインドのボンベイを、アメリカの映画の都ハリウッドにひっかけてボリウッドと呼ぶのです) 今年最初の鑑賞作品は“Veer – Zaara”(2004年 監督: Yash Chopra 192分)。 亡くなった祖母の遺灰を故郷の川に撒くためインドへ来たパキスタン人の娘Zaara を助けたインド人の青年Veer。二人は恋に落ちる(当然)が、Zaara には親の決めた許婚が(当然)。二十二年前の二人の恋の物語に、その後Veer がなぜパキスタンの刑務所に幽閉されていたのか、彼は故国に帰ることができるのかという法廷ドラマをドッキングさせ、そしてパキスタンとインドという関係改善を模索する二つの国の政治状況を通奏低音に、でもボリウッド映画だから当然歌と踊りがあって、親子の感動ドラマもあるという盛り沢山フィルム。 この映画を観ようと思ったのは、振付がボリウッドを代表する大ベテランの女性振付師Saroj Khan 、主演が大スター Shahrukh Khan なので。 監督のYash Chopra の作品を観たことあるかどうかまだ調べてないのですが、あまり巧い人ではなく、ミュージカルシーンを除くと割と退屈。「あーあ、疲れてるのに、こんな映画を観に来てしまった」と少し後悔してました。でも、ボリウッド映画らしく親と子の情愛シーンはさすがにホロリとさせられ、ラストに思わぬどんでん返しがあって、吃驚。 ぼくも一応物を作ったり書いたりする人間ですから、映画のストーリー展開というのは割と読めるのだけど、ボリウッド映画はこの読みが働かないことが多いのです。 考えるに、全体の作り(表現や役者の演技)がオーバーで所謂「臭い」ので、無意識のうちに映画を若干バカにしながら観てるのと、華麗な歌や踊りに目を奪われているのとがあると思います。普通の映画なら気づくであろう伏線に全く気づかず、ここまで素直に騙されてしまう自分に自分自身驚いてしまうということが多々あります。この作品もそれ。いや、あの展開にはちょっと感動してしまいました。 ということで、今年で第三回を迎えたBollywood Film Festival 最初の作品としては、まあ、いいのではないでしょうか。 では、オヤスミナサイ。また、明日。 今来たニュースレターによると、先週末、ブリストルのアードマン・スタジオの倉庫が火事になって、賞だの貴重なセット・小道具(“ウォーレスとグロミット”の初期作品の)が燃えてしまったとのこと。お見舞い申し上げます。
by yaliusat
| 2005-10-11 08:29
| 映画
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