11月8日(火曜日) 晴れ 帰宅途中、自転車で転倒しました。今年初めて。 ぼくは年に一回ぐらいの割合で、それも相当強烈な転倒をします。 昔日本人の知り合いの女の子に、「自転車乗りはいつ転倒するかわからないから、手袋・ヘルメットといった装備はきちんとしておかなければいけない」と言ったところ、「エーッ、自転車で転ぶのーっ!?」とバカにしたような口ぶりで言われました(因みにその子はバイク乗りです)。 「ケッ」と心の底で毒づきつつ、ぼくは彼女にプラハで自転車に乗るということは日本のように歩道をチンタラ走るのではなく、車道を走る。そしてチェコの道路の路肩はアスファルトが盛り上がってたり、砂がたまっていたりして(雪が降った時、歩道に砂を撒くのでその残りが路肩にたまる)非常に危険であると説明しました。 これまでぼくが転倒したパターンは大概、車道から歩道に跳び上がろうとした際、目測を誤って段差でタイヤを取られるというものです。その他に冬、路面が凍っていて滑って倒れるというのもあります。 今晩は、薄暗い裏道で前方に歩行者がいたので、向こうをビックリさせないよう距離をとって横を通り抜けようとして路肩に寄ったのですが、目測を誤って道路から枯れ葉に覆われている道路脇に跳び出し、滑ってハンドルをとられたというものでした。 路肩が危険というのに加えて、冬で辺りが暗いという悪条件も転倒を引き起こす要因です。 もっとも、冬は服を着込んでいるためショックがそれに吸収され、地面に放り出されてもあまり痛くないという利点もあります。 それからこれまでの経験でいうと、倒れる際は無理に体をかばおうとせず、柔道の受身の要領で力の方向に体をまかせ、かつ背中から着地するとリュックがクッションになって衝撃が大幅に緩和されます。肘・膝といった骨が剥き出しで固い部分から地面に落ちると痛いので、肉のついている肩から肘の部分から落ちるのも重要。 今日も相当ハデな転倒で、ぼくが避けようとした男性も見ていてさぞビックリしたでしょう。もっとも倒れた本人は、「今日もうまく倒れることができた」と嬉しくて、楽しそうに笑ってました(←傍から見るとアブナイ奴?)。 もっとも倒れた瞬間はアドレナリンのおかげか(?)痛みをあまり感じないのですが、やっぱり肘から手首へ5センチぐらいのところを打ったらしく、今、少しはれてきています。 帰って読書。昨日日本から届いた司馬遼太郎の短編集『馬上少年過ぐ』(新潮文庫)読了。 ぼくは司馬遼太郎のそれほど熱心な読者ではありませんが、兄が彼の作品が好きで、この本も家に転がっていたので小包の空いたスペースにクッション代わりに突っ込んでおいたのでした。 近年は『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『翔ぶがごとく』といった幕末・明治を題材にした歴史大作ばかり評価の高いような気がする司馬作品で、熱心な司馬ファンではないぼくが一番好きなのは、霧隠才蔵・猿飛佐助が活躍する『風神の門』です。講談でお馴染みの世界を真面目にやっているところが気に入ってます。猿飛佐助ではなく霧隠才蔵が主人公というのも好ましい。 それと、司馬遼太郎の作品は彼の史観ばかり持てはやされていますが、「見てきたような嘘」を書く視覚描写の緻密さには、小説執筆の真似事をしている身としては学ぶ点が多いです。 『馬上少年過ぐ』は司馬史観が前面に出た歴史物と、初期の作品にあった妖しさ・おどろおどろしさを持つ、少しファンタジーっぽい作品が両方味わえる、お得で楽しい短編集でした。
by yaliusat
| 2005-11-09 04:31
| 自転車
|
ファン申請 |
||