2月24日(金曜日) 曇り。寒の戻りで肌寒し。 昨夜、アニメーターのパヴェルが同僚のレンカとアレシュを車に乗せて帰宅途中、交差点で警察の強襲班の車に激突され、パヴェルの車は大破。ぶつけた警察車の方はたいした被害はなかったとのこと。 事故後、三人は病院で検査を受け、今日は仕事に出て来ましたが、パヴェルはなんだかまだ頭が痛いし気分が悪いというので早退。彼のガールフレンドであるレンカの方は体調はなんともないのですが一緒に早退。ということでアレシュも帰らせました。 これに加え、午後はプロデューサーとカメラマンのマリーク氏の共同誕生パーティが開かれたため、結局本日は一人のアニメーターも撮影せず。ま、こういう日もあります。 しかし、先日のマリークさんといい今回の三人といい、仕事仲間に災難が続いていてなんだかイヤな感じです。 夜は「X-MEN 2」の脚本家ザック・ペン Zak Penn が監督した“Incident at Loch Ness” (「ネス湖でのできごと」 2004年 イギリス)を観に。 「アギーレ 神の怒り」と「フィッツカラルド」で、80年代の日本でヴィム・ヴェンダースとならぶニュー・ジャーマン・シネマの旗手と見做されていた秘境大好き監督ヴェルナー・ヘルツォーク Werner Herzog が、ザック・ペンと組んでネス湖の怪獣に関するドキュメンタリーを撮ることになり、その様子をテレビ番組“Herzog in Wonderland”が追ったという構成になっています。 以下ネタばれ。 内容を全く知らないで観ると、ヘルツォークが「自分はネス湖の怪獣を発見したいのではなく、この伝説が生まれた環境、それをとりまく文化状況に興味がある」と真剣に語っているのできちんとした(?)ドキュメンタリーだと思うでしょうが、ザック・ペンが撮影クルーにユニフォーム着用を命じるところから、なんだか妙なことになってきます。ヘルツォークの映画撮影における有名なエピソードが再現されたりして。(左写真。左がザック・ペン。右がヘルツォーク) 自称ソナーの専門家という女性はモデルのようなグラマー美人で、しかもユニフォームの下には星条旗のビキニを着けているだけだし、そしてなによりどうやらネス湖の怪獣は本当にいるみたいなのです(笑)。 そう、これはドキュメンタリーの態を装った全くのフィクション。このパターンでいうとかの愚作「ブレアウィッチ・プロジェクト」が思い出されますが(一般的日本人には“川口浩探検隊シリーズ”?)、むしろ海洋ドキュメンタリーの監督がやらせ疑惑をかけられる「ライフ・アクアティック」(2004年 監督ウェス・アンダーソン)とそっくり。偶然ですがラストショットのコンセプトは全く同じ。この二本の作品をカップリングしてDVDを出したらさぞウケるでしょう。 このホラ話のバカバカしさを笑って受け容れられる人と「ライフ・アクアティック」が好きな人には楽しめる作品ですが、「くだらん物を観たなぁ。こんなことホームヴィデオで仲間うちだけでやってろよ」という徒労感があるのも事実。一回だけ観るなら笑えますけどね。特にヘルツォークのことを知っている人には。公式サイトはこちら。 因みに“Herzog in Wonderland” のカメラマンは名手と名高いジョン・ベイリー(「アメリカン・ジゴロ」「普通の人々」)なのも芸が細かいというか、凝ってます。 あ、ヘルツォークといえば一昨年ドキュメンタリーの映画祭 One World で、チベット仏教最大の儀式を描いた“The Wheel of Time”(2003年)を観ていたのに、すっかり忘れてた。あまり印象に残らない作品だったし。 (この日の日記まだ続く)
by yaliusat
| 2006-02-25 09:25
| 映画
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