7月6日(木曜日) 快晴 今日は、1415年にチェコのプロテスタント運動(フス派)の指導者で、チェコ語の表記法も考案したヤン・フス Jan Hus が火刑に処せされた日で、祝日であります。 昨日のキュリロスとメトディオス同様、ヤン・フスに興味のある方は Wikipedia の彼に関する項をお読みください。(ぼくもこの文章を全文読んだわけではないのできちんと把握できてないのですけど、なんでこれ途中から英語のまんまなの? 英語版からの翻訳のせい? 編集委員の方々、ちゃんと処理してください、ってこんなところに書いてもしょうがないか) 今日はスタジオに誰も出てこないだろから、ゆっくり小説の執筆をしようと思っていたのに、照明機材の片づけにヤルダが。んな訳で予定を変更し、「四枚のおふだ」の作業を。(別に変更しなくてもよかったのですが、なんとなく) 午後、ズスカから電話があり、アニメ準備の進行状況について訊かれ、「わしゃ知らんよ」と答えたところ、「なんでおまえが知らんのか!」と厳しく叱責され、反省。でも、なんで監督のわしがそんなことまでやらなきゃいかんの。それってプロデューサー、もしくはアシスタントの仕事でしょ……ってアシスタントはいないのだから結局わしの仕事か。でもプロデューサーの三人は全員昨日今日と休んでるし、じいさんプロデューサー明日も出てこないし。ウーム。ま、月曜からスタッフ間の連携を綿密にするよう、機構改革します。 夕方、先週レンタルDVD屋で借りた「がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン」 (2005年 アメリカ 監督リチャード・リンクレイター)を観賞。 リトルリーグ最悪のチームが一念発起の大奮起でリーグの優勝決定戦までいく様を描いたオリジナル版「がんばれ!ベアーズ」(1976年 アメリカ 監督マイケル・リッチー)はぼくらの世代にとってはほとんど聖典の一本ですから、それと比較するのはフェアではないのですけど、やっぱりオリジナルの方が面白い。なにより子供たちのキャスティングが完璧であったオリジナルに比べると、リメイクは弱い。始終汚い言葉で悪態をついていればリアルな今の子供だと作者たちは誤解しているよう。 女の子ピッチャー、アマンダ役のサミー・ケイン・クラフトもオリジナルのテイタム・オニールに較べると華がない。確かにいい球投げてることは認めますが、主要キャラクターを張る器ではない。ケリー役のジェフリー・デイヴィスはもっとひどい。映画に出る顔じゃない。 脚本を書いたグレン・フィカーラとジョン・レクアはこの映画の主演ビリー・ボブ・ソーントンが出た「バッドサンタ」(2003年 アメリカ 監督テリー・ツワイゴフ)も書いているコンビで、メイキングの中でもオリジナル版の脚本を極力改変しないように務めたと言ってますが、その数少ない改変部分が生きてません。 オリジナル版の頃は女の子のピッチャーがまだ珍しかったけど今は普通だから、車椅子の男の子を考え出したのはまだわかるとして、それが故にオリジナル版でもっともダメな子だったルーパス(リメイク版にも出て来る)とキャラが被る部分が出来てしまい、見せ場を二つ作る必要に迫られたため、最終回にルーパスにヒットを打たせるという、「そりゃ無茶でしょ」という説得力のない展開になってました。 また、アルメニアからの移民で、父親が野球に対して理解を持っていないガロという新キャラクターを作り出し、この子を優勝戦のラストバッターにしたのはいいけれど、それも結局活かされていない。 ビリー・ボブ・ソーントンは相変らず臭い演技だし。 ところで、「おまえはベンチを温めるために生まれてきたんじゃないだろ」というオリジナルの名台詞は残されてましたっけ? 全然記憶に残ってないのですが。多分あったんだろうな。 と、貶しましたが、それでもそこそこ面白く見られたのは、野球という競技が持つ詩性が映画でそれなりにすくいとられていたからでしょう。野球とサッカーのどちらが面白いか、スポーツの観点から言えば皆それぞれ一言あるでしょうが、映画の題材として見た場合は前者の圧勝ですな。 昔、寺山修二が書いたという野球誕生の神話、仲のよい二人がボールの投げあいっこをして遊んでいたら、イジワルな子が棒でボールを打って邪魔したので、通りかかった二人の友だち七人がボールが飛んでいかないよう広がって守ったことから野球が生まれた、というのを久々に思い出しました。 毎週映画評を読むのを楽しみにしているアメリカの映画評論家ロジャー・エバートのHPから、今週は更新を知らせるメールが何故か来ていない。不思議に思って調べたところ、彼はsalivary glant(唾液を出す腺のことでしょうが、日本語でなんと言うの?)の癌の手術を受けていたのだと知ってビックリ。しかも六十四歳になるエバートは既に癌の手術を四回も受けているとのこと。どうか元気になって欲しいものです。 でも同時に、エバートが「ゴジラ」第一作(1954年 監督本多猪四郎)が星一つ半の評価で(四つ星が満点)、“This is a bad movie”と散々貶しているのを読み、「そこまで言わんでもいいやん」と思ったぼくでした。でもやっぱり彼には元気になって欲しい。 今日もスタジオ泊。
by yaliusat
| 2006-07-07 07:55
| 映画
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