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えーっ、ぼくは日頃の不摂生で常に眠い人間なので、長時間の飛行機旅行の後で眠くても、その原因が時差ボケなのか睡眠不足なのか、はたまたその両方なのか、わかりません。 これは長旅の後でも、一晩寝ればすぐ普段の体調に戻ってしまうという大きな利点があるのですが、反面、一晩寝てしまえばアッという間に新生活に順応してしまい、それ以前の生活など「あれはまるで夢のよう」ときれいサッパリ忘れてしまうという困った点もあります。 んな訳で、日本に帰って三日目にしてぼくの頭からはチェコに三年半の間住んでいたことなど消去されつつあります。(← 単なるボケという気もしないではないけど) まだ記憶のあるうちに、ぼくの(何度目かの)チェコ最後の日々に何が起こったかを記しておきます。 では、12月22日(金)の続きから。 昼間街中で手持ちのコルナのほとんどを円に両替し、銀行口座を閉じてしまうと、その足でスタジオへ行き、自分の机の上およびその周辺を片づけ。 夕方、大家に電話をし、「明日は午後四時頃に部屋を出るので、その時間に鍵をとりに来て欲しい」という旨を伝えたところ、受話器の向こうのオバハンの態度がなんだか変。氷のように冷たい声で、怒りを必死になって抑えているという雰囲気がありありと伝わってくる。 幼い頃から他人が怖くて、顔色を伺ってばかり生きてきたぼくとしては、そういった雰囲気を読み取る技術に長けているのです。 な~んか、嫌な予感。「まさか、あのババァ、引越し前でカオス状態にある部屋に入ったんじゃねーだろーな」と不安にかられることしきり。 夜は音楽家のT嬢、プラハの国連難民高等弁務官事務所で働くUさん(男性)、それにT嬢のお友だちで日●文化広報センターで働くM嬢、そしてぼくの四人(すべて日本人)で、Aromi なるイタリア・レストランにて送別忘年会。(ぼくだけでなく、T嬢は1月初旬、Uさんは1月いっぱいでそれぞれプラハを去るので) 午後七時集合の筈でしたが、片づけに手間取ったぼくは一時間遅れて参加。しかも膨れ上がったリュックに、満杯の手提げ袋を二つ持ってと、どう見てもお洒落なレストランに行く格好ではありませんでした。でも、そんなことに構っていられない。床にドサーッと荷物を置き、「疲れた、疲れた」を連発。 Aromi は出てくる食べ物がすべて美味しいというレストランでしたが(特に本日のお奨めデザート、イチゴのムース(?)は絶品)、それだけに値段も高かった。酒飲みで美味しい物好きの若者たちは懐具合を心配するオヂサンの懸念を他所に、ガシガシ食い物は頼み、ワインを二本空け。オイオイ、キミタチ、ダイジョウブカ? 午前零時を回った段階でお開きになり、勘定書きが来ると、割り勘で一人1,600コルナ(約8,960円 1コルナ=約5.6円計算)。ゲゲーッ、これだから日本人のグルメたちと一緒に食事をするのは大変なんだ。そもそも、わしの人生において一回の食事に9,000円近くも払ったことなんかないよ。 (プラハのレストラン・ランキング Grand Restaurant で2004年、2005年と二年連続して一位に選ばれた Hotel Four Seasons (← ショーン・コネリーやブルース・ウィリス、マイケル・ジャクソンも泊まった)のイタリア・レストラン Allegro だって、新聞によるとディナー一人分の値段目安は1,780コルナ(約9,968円)だったのに。もっともこの値段には飲み物代は含まれていなかったと記憶します) 普段のぼくなら顔面蒼白になった挙句、恥を忍んで同席の若者たち三人に、「今、金の持ち合わせがないんで、立て替えておいて欲しい」と頼むところですが、その日は幸運なことに銀行口座を閉じ、返してもらったお金が1,500コルナちょっとあったので、ピクリとも表情を変えず、「当然っ!」という顔をして払いました。(笑) イヤー、ビックリした。 帰る方向が同じ三人は一台のタクシーに乗って帰り、ぼくは終夜トラムの来る停留所まで重たい荷物を抱え、「この時点に及んで物盗りに襲われて死にたくねぇよなぁ」と怯えつつ、人気のない深夜の通りをテクテク歩き。幸運なことに、停留所について数分でトラムは来ましたが。 アパートに戻り、ドアのロックを開けようとすると、鍵のかけ方がいつもと違う。(部屋に盗られて困るものはないし、ぼくはいい加減な人間なので、普段鍵は一回しか回さないのに、二回回されていたのです) 「ヤベッ、あのキ●ガイ大家、またおれのいない間に勝手に部屋に入りやがったな」と思いドアを開くと、案の定、まるで「こんな汚い部屋の空気は我慢できない」という厭味のように、部屋中の窓があいたままになっていました。ガビーーーーーーーーーーーン!! 「これだよ、チェコ人は。ババァ、おれがチェコを発つ前々日によくもこんなことを」 (以下続く) by yaliusat | 2006-12-27 23:54 | チェコ
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