9月13日(火曜日) 曇り 日本では割と有名らしい古典日本舞踊と創作舞踊の団体〔菊の会〕がチェコでは初めて公演(於:国立オペラ劇場)をやると知り、「一流の物は一応観ておきたい」というノンポリのぼくは早速ネットでチケットの値段を確認。桟敷席が550コルナ(約2,750円。1コルナ=5円換算)+手数料100コルナ。 5月に行ったオペラ歌手アンネ・ソフィー・フォン・オッターのリサイタルが950コルナだったから、まあ許容範囲か、と。(参考までに、市街地のシネコンの入場料は160コルナ前後) 映画には一人で行くけど芝居やコンサートは連れが欲しいぼくは、ぼくのアニメの師匠で日本贔屓のヴラスタ・ポスピーシロヴァー女史を誘いました。ところが師匠曰く、「そんな高い公演には行けない」と。「こないだはそっちが入場料400コルナもするフランスのサーカスに誘ったやん(ぼくは断りました)」と思いましたが口には出さず。「もっと安い席を探せ」という師の命に従い、二階(日本式三階)のバルコニーの値段を見ると、こちらは250コルナ+手数料100コルナ。「それにせよ」と師匠。 でも昔、プラハの国民劇場で中国の京劇公演を安いバルコニーの席で見た時に、ほとんど真上から見下ろすようだったという痛い目にあったぼくは、「劇場なんて一年に一回ぐらいしか行かないのだから、少々高くてもベストの席で見たい」ということで、師匠からは250コルナだけもらい、あとは自分で立て替えりゃいいやと、勝手に桟敷席のチケットを買うことに。 劇場窓口ならインターネットと違い手数料100コルナを払わなくてもいいかもしれないと考え、仕事を早く切り上げて、国立オペラまで。因みに、昨日から使い始めたタコメーターによると、仕事場からプラハの中心までは12.5キロの距離でした。 劇場窓口で、「桟敷席の値段は」と聞いてビックリ。500コルナですって。おい、Bohemian Ticket International。そっちで買ったら全部で650コルナ払うところだったじゃねーか。あこぎな商売しやがって。あー、危なかった。 時間が余ったので、日本でも話題のドイツ映画「ヒトラー 最期の12日間」を観ることに。 この作品、ヒトラーを極悪非道の狂人とするのではなく他者に優しい面もある人間として描き、ドイツでは「若者のヒトラー礼賛につながる」と批判がでましたが、チェコでも日本でも「この程度の描き方なら、新しい視点もないし、薄っぺらな人間像だといえる」という評を見かけました。ぼくに言わせれば、薄くも厚くもないヒトラー像なのですが、これをもっと突っ込んだ人間描写にせよという批判者たちは、どこまで描けば英語でいうところのcardboard character ではなくなると思うのだろうかと、そのことが気になりました。 フランスの映画監督ロベール・ブレッソンのモデル主義の信奉者であるぼくは、もともと映画における俳優の演技がリアルだとか、キャラクターが活き活きしているとかいうことにあまり興味がなく、「どうせ何やったって作り物やん」と思う人間だからかもしれません。(モデル主義についてはまたいつか) もっとも映画自体至極平均点的な作品で、胸にガツーンと響くところはあまりありませんでした。このテーマなら、コーネリアス・ライアンのノンフィクション『ヒトラー最後の戦闘』を映画にした方が感動的だろうにと思いました。あ、ラストの自転車のシーンは、自転車乗りとしては結構好きでしたけど。 本日の自転車走行距離:35.5キロ
by yaliusat
| 2005-09-14 06:49
| 映画
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